ハヤカワ文庫

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【感想】『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』竹田人造

首都圏ビッグデータ保安システムが導入され、ビッグデータ解析と武装ドローンが首都圏の治安を守る、あまり遠くない近未来。落ちぶれた人工知能技術者の三ノ瀬は、親の作った借金が原因でヤクザに臓器を売られそうになっていたところをフリーランス犯罪者を名...
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【感想】『あなたの人生の物語』テッド・チャン 浅倉久志 他訳

なぜか読んだ記憶があるんだけど記録されていないので多分読んでいなかったのだと思うので読んだ。  導入というか設定がドンと強くて、でも最後そこで(それで)終わっちゃうの?となるパターンをいくつか感じた。たとえば「バビロンの塔」(浅倉久志訳)と...
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【感想】『AIとSF』日本SF作家クラブ編

非常にチャレンジングな企画だと思う。この2023年において時事ネタとしての速度が激流過ぎ、それでいて先行作が山とあるAIというテーマで、この枚数で、この本数収録されるアンソロジーに原稿書くの、チャレンジ過ぎませんか!? 正直、どっかで読んだ...
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【感想】『NSA』アンドレアス・エシュバッハ 赤坂桃子 訳

NSAといってもアメリカの国家安全保障局ではなく、ドイツのNationales Sicherheits-Amt、そしてやっていることはアメリカのNSAと同じ、全ての市民を例外なく監視下に置く諜報活動、使うのはインターネット(みたいなやつ)で...
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【感想】『異常論文』 樋口恭介・編

面白かった作品の感想。 「掃除と掃除用具の人類史」松崎有理  掃除と掃除用具というアイデアから話を大きく広げて、読みやすい語り口、時々入るニヤリとさせられる小ネタ(「蛍の光、窓の雪、ホーキング放射」が一番好き)、あと使いどころが上手い図表で...
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【感想】『町かどの穴 ラファティ・ベスト・コレクション1』 R・A・ラファティ 牧眞司 編 伊藤典夫、浅倉久志他 訳

全部怪しくて面白かったけど、特に印象が残ったものの感想を。 「町かどの穴」  町かどの穴からもうひとりの自分が流れ込んでくる話。ただ、並行世界(?)からやってくるもうひとりたちが一筋縄ではいかないというか、単なるコピーではなくて、同一人物で...
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【感想】『新しい世界を生きるための14のSF』 伴名練・編

皆さんは加速しましたか? 『二〇二二年五月時点で、まだSFの単著を刊行していない』作家限定(例外もある)で、過去五年間に発表された短編を集め、日本SF界の歴史を十年加速させることを目的に編まれたアンソロジー。上記ツイートの通りの経緯で見本を...
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【感想】『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』

『キミノスケープ』宮澤伊織 好き。雰囲気が静かで綺麗。良い感じなのでもう少し先まで行って欲しいというか、きちんとけりを付けて欲しいという気持ちがある。これを百合SFアンソロジーの冒頭に持ってきて殴ろうという心意気良いと思った。 『四十九日恋...
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【感想】『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選』 野﨑まど・大森望 編

ファーストコンタクトSF傑作選。言うほどファーストコンタクトじゃないのでは……。 筒井康隆「関節話法」  いきなりファーストじゃないじゃん。でもすごい。ギャグをここまで広げていけるのさすがの手腕だな……。 小川一水「コズミックロマンスカルテ...
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【感想】『2010年代海外SF傑作選』 橋本輝幸 編

2000年代~から続けて読むと、2010年は混沌の年代だった……というのはいまが2020年代初頭だからそういうバイアスが掛かって見えるというのが多分にあるんだろうけど、でもそう感じた。特に前半に2010年代感を強く感じる作品が並んでいた気が...