アナイアレイション -全滅領域- (Annihilation)

 原作と完全別物だった。1巻しか出てない段階で作ったらしいから(なぜ1巻しか出てない段階で作った?)まあ別物にならざるを得ないとは思うし、そもそも映像化するにはかなり作り替える必要がある小説だと思うけど、そうはいっても解釈違いポイントが多いなぁと思った。で、別物として見たときには、映画とするとこれが良いよねという感じでまあまあ面白かった。火噴くとこはちょっと笑ってしまった。ラストシーン良い。

『全滅領域』『監視機構』『世界受容』(サザーン・リーチ) ジェフ・ヴァンダミア 酒井昭伸 訳

 良い小説だ……。

 神ゲー『CONTROL』が影響を受けているという話(たとえばこの記事)を聞いて読みました。確かに人物造形とか空気感で影響を受けている部分がかなりあるんだろうなと思いつつ、「CONTROLが影響受けてる」と聞いて想像した内容とは全く別物で、逆にCONTROLのゲームとしての組み立てはすごいなと思った。というか直球的なものはControlという単語(意味は全然違う)、局長Directorという役職(位置づけは全然違う)、あとはサザーン・リーチの局舎(どこでも入れる清掃員っていうので笑ったけど)あたりに見いだせなくもないという程度で、むしろそれで結びつけるのはこじつけ感があって、前述のインタビューで明言されてなかったら言うほど繋がり無いでしょと思ったかもしれないくらい。インスパイヤですとか言って直球に意匠をパクってしまう自分をめちゃめちゃ反省した。

 ともかく不穏で、良く意味は分からないのだけれど、大自然、不穏な描写、狂気、でもその感情……説明できないな。なんかよく分からないけれどすごいし良い小説。全滅領域はなんだこれどうなるんだという導入、監視機構はともかくコントロールがもがく感じが良くて、生物学者が良くて、世界受容はコントロールとゴーストバードの互いの視線が良くて、灯台守とグロリアが良くて、グレイスもめちゃ良くて、まあ全部良かった。あとこれドッペルゲンガー百合小説だよな。おすすめです。

『冬眠世代』蜂本みさ

掲載ページ: 蜂本みさ「冬眠世代」 | VG+ (バゴプラ) (virtualgorillaplus.com)

 すごく好きな短編小説。後述するKaguya Planetの今までの掲載作品の中でも自分としては一番好きでイチオシ。けど何が良いのか表現しづらい! クマの冬眠、擬人化モノで冬眠するやつとしないやつでこうちょっとディストピアなのかな、とか思ったら夢の話で重層感・幻想感が出てきて、最後はきれいにまとまる。動物的なかわいさとか、民俗っぽい要素とか、挟まるテキストの違和感、世代を超える感じなど、読み進めて新しい見え方が広がっていくのが気持ち良い作品でした。


 Kaguya Planetとは、SFメディアVG+(バゴプラ)が運営する、SF短編小説のプロジェクトです。最近、こういう活動がオルタナティブとして盛り上がってほしいなぁと思うようになったので応援をしてみて、これまでの掲載小説を全部読んだところ、特に面白かったのが本作なので感想を書きました。Kaguya Planetの活動が長く続くものになると良いなと思うので引き続き読んでいこうと思いますし、良かった作品については感想を書いていきたいです。

『2000年代海外SF傑作選』

 傑作揃いだ。

『ミセス・ゼノンのパラドックス』エレン・クレイジャズ

 一発ネタなんだけど持って行き方が小気味よくて好き。これを先頭に配置したアンソロジーの勝利。

『懐かしき主人の声(ヒズ・マスターズ・ボイス)』ハンヌ・ライアニエミ

 動物サイバーパンク。なんかわちゃわちゃしてた。

『第二人称現在形』ダリル・グレゴリイ

 これ好き。ゼロ年代的、SF的な問題意識を題材にしつつ人間を掘り下げていく。2000年代のイメージって、この脳科学系の問題はもう全然新しくはないんだけど未だに全然飽きられてもいない、みたいな時代感だと思うから、このラインナップにも当然入ってくるはずで、でも似たような題材の作品山ほど書かれてる中でどう選ぶというのはきっと難しいと思う。でもそこでいかにもドライにハードSFっぽいのじゃなくてこの作品なのはSFの広さを感じた。

『地火』劉慈欣

 めちゃめちゃ良いじゃないですか。すごい作品。感想書いてもう一回興奮してきてしまった。この並びもすごくて、『第二人称現在形』は題材的には山ほど書き尽くされてる自己の話、けどドラマが良いよね、っていうやつなんだけど、『地火』は全然違う方向向いてて異色作というか……。社会。最後のシーンのパワーすごくて、素朴な科学の進歩史観的なものに対して強烈な居心地の悪さを叩き込んでくる。本書でこれが一番すごい作品だと思った。

『シスアドが世界を支配するとき』コリイ・ドクトロウ

 インターネットが世界を変えていく、良くしていくっていう素朴な……いや、どこまでが狙いかはともかくいまこれを書いていて思ったのは『地火』からの角度の切り替えが鋭すぎてすごい。インターネットというのがどちらかというと性善説的なテクノロジーで、柔らかくて頑健な作りになっていて、それを作って日々守るために活躍しているギークたちのプライド、根性、みたいなものに対するポジティブな見方があると思うんですけど、あるよね? ボクの肛門も閉鎖されそうですコピペみたいな感じですよあれも2000年代(その例は何?)。なんかそういう時代の質感を上手く題材にしている( 『地火』 の最後の強烈な無邪気さから振り返るとうーんとなるところがあるが!)。

 作品としては題材と中盤までの展開は良かったけど終わり方が気に入らなかった。

『コールダー・ウォー』チャールズ・ストロス

 これも題材と中盤までの展開は良かったけど(めちゃめちゃかっこいい)、終わり方が気に入らなかった。ちゃんとけりを付けて欲しい。

『可能性はゼロじゃない』N・K・ジェミシン

 この作品はちょっとよく分からなかった。

『暗黒整数』グレッグ・イーガン

 これだけ既読の作品。やっぱり相変わらず、かっこいい。

『ジーマ・ブルー』アレステア・レナルズ

 これは大好きですね。題材としてもフェチズムがあり、ジーマ・ブルーの青色に奇想が収束する感じが良い。締めくくりに相応しい傑作。

『死にたがりの修羅』 雲鳴遊乃実

 Text-Revolutions Extra2にて入手

 ジャンルはなんだろう。結構色んな要素が入っているように思えました。作者の狙いなのかは置いておくとして、読んだ感覚としてはジュブナイル文学寄り?な要素の印象が強かった。父親と対峙してるシーンとか良い。あと第八話の最後のシーンがめちゃめちゃ好き。

『ペルセウスの旅人』 佐々木海月

 Text-Revolutions Extra2にて入手

 星を旅する連作掌編集。一冊を通じて漂う優しさと寂しさが印象的でした。この宇宙の感覚のふんわりとしたSFさが良いです。ボリューム的にはファンタジーっぽい話をしている割合の方が多いんだけど、気づいたらSFらしさを感じている。掌編たちの束ね方の構成も面白かった。扉や章題のちょっとしたデザインも素敵で、紙の本としてのクオリティの高さを感じます。

『私の百合はお仕事です!』 未幡

 未完結だけど区切りが良い……ような気がするし感想を書いておくことにしました。

 これ好き。

 偽る、演じる、騙す、みたいなのがめちゃめちゃ性癖なんですけど、それをメインに据えてくるお話で、それ、それなんだよ、となってしまって大好きな作品です。本当にそれです。やりたいことのために舞台装置が用意されてしまうのも好きで、リーベ女学園という舞台だけで既にパワーがありすぎて好き。多分リアリティラインというかそういうのが気になる人は、そんな店ありえねえってなるので向いてないと思うのですが(なんなんだよあの店は)、自分はやりたいことのために細けえことは良いんだよ状態で進んでいくこういう話が大好物です。主人公が外面を取り繕って演技をしているんですみたいな話は腐るほどあると思うけど、この作品はリーベ女学園という舞台装置によって多かれ少なかれ登場人物全員が演技をしていて、それが話にめちゃめちゃ噛みあってくるんですよね。ミュージカル的な演出装置としても使われている。ミュージカルで歌うじゃないですか。なんで歌うんだよみたいなツッコミを入れ始める人には向いてないんですが、いや感極まったら歌うでしょっていう受け入れができる人にはすごくハマると思うのでオススメです。あと、主人公が外面を取り繕って演技をしているんですみたいな腐るほどある話の場合、大体ヒロインだけがその演技を見破ってきてとか事故でバレてしまってとかそういう導入がテンプレ化してしまって退屈ですが、この作品はそういう方向でもなくて、もっと演技が複雑になってる。誰からも愛されるように外面よく自分を振る舞う陽芽が、コンセプトカフェ・リーベ女学院で働く羽目になり、そのリーベ女学院というのが「お嬢様学校の学生に扮した店員同士が姉妹となり清らかに美しく給仕をするサロン」で、店員はみんな生徒に扮して百合百合してて、そこでサロンの表舞台では自分に優しくしてくれるんだけどバックヤードだとやたら敵意を向けてくる先輩がいて、しかしその先輩と勘違いから「姉妹」の関係になってしまい、サロンの表と裏でこう、演技が交錯するこう……最高ですね。陽芽が主人公としてめちゃめちゃ良いんですよね。心情運びが良くて。あと舞さんがすごい好きなんですよね。あの人あきらかに一番ヤバいでしょ。黒幕だよ。でも8巻の写真撮影シーンの恍惚顔をみると店が一段落して良かったねと思ってしまった。この先の展開も楽しみです。

どうぶつメモリーズ保管庫

 コレクション型カードゲーム「どうぶつメモリーズ」の非公式応援サイト、「どうぶつメモリーズ保管庫」を作りました。

 コレクション型カードゲーム「どうぶつメモリーズ」を知らない人はまずいないと思いますが、一応説明すると、最大4枚のカードを使って140文字以内で君だけの思い出を綴るゲームです。

 カードは毎日公式アカウント @doubutsu_omoide にて配布されています。 昨年9月のサービス開始以降、既に400枚以上のカードが配布されています。

↑キャンペーン期間中はレアリティR以上のカードが毎日2枚配布される。
↑時々このように高レアリティカードが配布される。
↑カードを集めていくうちに登場するどうぶつたち(メインは、ネコ、ウサギ、クマ、イヌ)のキャラが見えてくるのが面白い。
↑ときどき、「どうぶつか?」というカードもある。ネコとウサギのニコイチペアが推しです。

 今回作成した「どうぶつメモリーズ保管庫」では、これまでに配布された全カードを閲覧することが可能です。

 以下の機能があります。まあ、piwigoを設置しただけなんですが。

 また、自分用に新規に配布されたカードを自動で保管庫に入れるスクリプトも作成しました。このためにTwitter開発者アカウントを取得したぞ。ただ、タイトル付けとタグ付けは自動化できていないので、未整理状態で登録されます。気づいたときに整理します。

 これからもみんなでどうぶつメモリーズを応援し、思い出を綴っていきましょう!

【同人サークル向けtips】discordにBOOTH商品販売通知botを設置する

 いかがでしたか?(先制攻撃)

 前回に引き続き、今回は、以下の画像で「売れている!」とか叫んでいるBOOTHで商品が購入されたときに通知してくれるbotについて解説していきます。

 上記のツイートに書いているとおりで、これは複数名が参加しているサークルにとってはモチベーション的に非常に嬉しいものです。一人サークルの場合は全く不要です。メールを見れば良いから。

 そう、メールです。BOOTHで商品が売れたときというのは、それを知らせるメールが届きます。このbotはメールをトリガーにして動いています。具体的に言うと、

  • BOOTHからの通知メールをgmailで受信する
  • gmailで、BOOTHからの通知メールに特定のラベルを付けるフィルタルールを設定する
  • Google Apps Scriptで、gmailの受信ボックスで特定のラベルが付いた未読メールを検索し、ヒットしたらdiscordのWebhookにpostして、当該メールを既読にする処理を定期実行する

 以上です。IFTTTよりちょっと難しいですね。IFTTTはgmailの受信ボックスと連携できないからです。許せねえな。でもgmailのフィルタルールとGASを活用することで、案外簡単なんですよね。BOOTH以外のサービスでも、売れたことをメールで通知してくれるようなサービスになら応用も利くと思います。

 ここまで説明したら分かる人には分かったと思うし以下は雑に説明していきます。

gmailのフィルタ設定

 説明は以上です。

Google Apps Script

 Google Apps Script、通称GAS。これってG suite scriptとかに改称されたりしてないんだなと思っていま調べたらもうG suiteとも言わないのか。さてこれは何かというと、まあざっくり言えば……エクセルのマクロあるじゃないですか、あれのGoogle版です。

 これはGoogleのサービスを良い感じに操作できて……

var checkLabel = "booth";
var threads = GmailApp.search('is:unread label:' + checkLabel);

 これでboothラベルが付いた未読メールを検索できます。うわあ、良い感じじゃないな。スレッド単位。BOOTHの販売通知メールは基本的にスレッドに固まってしまうのでそれを踏まえた処理が必要になります。

 さて、以下はそれを踏まえていない処理です。

var count = threads.length;
for(var i = 0; i < count; i++) {    
    var messages = threads[i].getMessages();
    if(messages.length > 0){
        var postMessage = "BOOTHから通知:`" +
            threads[i].getFirstMessageSubject() +
            "`\n『紙魚はまだ死なない』 が売れている!";
        discord(postMessage);
        for(var j = 0; j < messages.length; j++){
            messages[j].markRead(); //これthreadに対してmarkReadでよかったな
        }
    }
}

 何で踏まえていないかというと、適当に検索して出てきたコードを加工してスレッド内を順番に通知するように書いたら既読分まで通知してしまうバグが出て、そこでちゃんと未読だけ通知するように改修すりゃいいのにめんどくさくなって1回だけ通知にしていることにより、謎の構成になっててなんかこう、尾てい骨みたいな、盲腸みたいな感じになってますが、まあこういう割り切りが、デジタルトランスフォーメーションです。こうやって検索して拾ったコードを切り貼りして作ったやつを溜めておいて設計図共有サイトで共有すると転職サイトで適正年収が診断できます。まあ10分ごとに実行とかにしておけば、その時間内に一気に何部も売れるってことあんまりないだろうし……目的はみんなのドライヴ感だから……。

 discordを呼ぶところは普通にこうです。これはこの記事の方のを利用。

function discord(message) {
    const url        = 'https://discordapp.com/api/webhooks/xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx'; //discordのwebhooksのurl
    const token      = 'xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx';//discordのwebhooksのトークン
    const channel    = '#egosearch';//送信したいチャンネル
    const text       = message;
    const username   = 'ささのはストア';
    const parse      = 'full';
    const method     = 'post';

    const payload = {
        'token'      : token,
        'channel'    : channel,
        "content"    : text,
        'username'   : username,
        'parse'      : parse,
    };

    const params = {
        'method' : method,
        'payload' : payload,
        'muteHttpExceptions': true
    };

    response = UrlFetchApp.fetch(url, params);
 }

 これ動いてたけど、なんかいま公式の見たら所々不自然な気もしますが、動きゃ良いんだよ。適正年収三兆円になりたい。関係ないけどこのWordpressテーマでコードブロック始めて使ったけど(笹帽子の樹はテックブログです)、神武以来のクソダサでしょこれ。なにこれ?

 これを10分とかのトリガーで実行してください。まともな解説が読みたい人はGAS gmail 検索 webhookとかで検索して調べてみてください。いかがでしたか?(リフレイン)