01_読感

【感想】『京都SFアンソロジー:ここに浮かぶ景色』井上彼方 編

 土地アンソロジーいいな。単に京都というワードを超えて芯がある(編者あとがきではそれが〈記憶〉とか〈過去の蓄積〉といった言葉になるだろうと言語化されていて、しっくりくる)のがよかった。特に好きだった三作品の感想です。千葉集「京都は存在しない...
01_読感

【感想】第三回かぐやSFコンテスト最終候補作品

ネタバレを含みます。未読の方はまずは上のリンクから10作読んで、投票してから、ここを読んでね。読者投票期間は2023年9月19日(火)までとのこと。自分が投票する一作を選ぶことを前提にしているので、おそらく目線は厳しめになっていて、マイナス...
01_読感

【感想】『声百合アンソロジー まだ火のつかぬ言葉のように』ストレンジ・フィクションズ

 文学フリマ大阪11の新刊。寄稿させていただいた同人誌。上記のページで通販が開始しているので是非!! 以下、ネタバレを含む感想。ネタバレのない、寄稿しました報告の記事はこちらです。紙月真魚「貝と耳鳴り」元恋人の声がずっと耳に残っている主人公...
03_作品

文学フリマ大阪11の新刊 ストレンジ・フィクションズ『声百合アンソロジー まだ火のつかぬ言葉のように』に寄稿しました

 みなさまごきげんよう、告知があります。 今週の日曜日9/10、文学フリマ大阪11にて販売される、文芸創作同人サークル「ストレンジ・フィクションズ」の新刊、『声百合アンソロジーまだ火のつかぬ言葉のように』に作品を寄稿しました。 ストレンジ・...
01_読感

【感想】『茨文字の魔法』パトリシア・A・マキリップ 原島文世訳

 良いファンタジーを読んでしまった。じわじわと良くなってくるというか、冒頭でガツンと引き込むというより気づいたら先が気になっている感じ。終盤の加速感がすごかった。 王立図書館で養われている孤児の少女ネペンテスが、謎めいた茨文字の本の解読にの...
02_進捗

2023年8月の進捗

 夏が過ぎ進捗あざみ今月の進捗 秋の文学フリマ東京で出る予定の同人誌の短編、草稿を書いて同人各位に共有しました。お、進捗っぽいことをこの記事に書けてる!! すごい!! 頑張って夏休み乗り切った!! 俺も夏休みほしい!! さてどんな話かという...
01_読感

SFマガジン2023年10月号特集「SFをつくる新しい力」にてレビューを担当しました

 本日8/25(金)発売、SFマガジン10月号特集「SFをつくる新しい力」(監修:橋本輝幸)の「SF入門&偏愛ブックガイド」において、笹幡みなみ名義でSF入門者向けの小説作品レビュー2本を担当いたしました。 私はこのブログで読んだ本の感想を...
01_読感

【感想】『私たち異者は』スティーヴン・ミルハウザー 柴田元幸訳

 強烈にミルハウザーであるし、でもこれまでに読んだのとはちょっと違う味付けだと思って読んだ。違う味付けの理由は訳者解説で見事に言語化されており、驚異から日常生活に挿入される小さな異物という微妙なシフトなのだなと思った。「平手打ち」は、連続平...
01_読感

【感想】『アイリーンはもういない』オテッサ・モシュフェグ 岩瀬徳子訳

 少年矯正施設の事務員として働き、アルコール中毒の父親を憎み、自分自身の女らしさを嫌悪し、妄想をばかり膨らませ鬱屈した日々を過ごしていたアイリーンが、魅力的な女性との出会いを経て人生を大きく変える話。取り返しのつかない形で。 ともかくアイリ...
01_読感

【感想】『塩と運命の皇后』ニー・ヴォ 金子ゆき子訳

 主人公を同じくするファンタジー中編二本。「塩と運命の皇后」では、相棒である歴史を記憶する鳥、オールモスト・ブリリアントとともに歴史収集の旅をする聖職者チーが、亡き皇后の侍女だったという老婆から思い出の品について話を聞いていく。「虎が山から...