sasaboushi

01_読感

【感想】『ロウきゅーぶ!』 蒼山サグ

ラノベっぽいものを書こうと思ったので、でもぶっちゃけ僕ラノベとかあんまり読まないわけですよ。実は。だからなんか最近のラノベを一冊くらい読もうと思って、いや、ち、違うんです! これを選んだのはたまたまで! その! まあ、実際読んでみたらこれは...
03_作品

小説作法(推敲前)

部屋の隅の壁紙の剥がれた辺りから白髪の男が急に現れ、俺の休日の午後を破壊した。 「何しとんねん」  居間でだらだらくつろいでいたら見知らぬ男が現れたのだ、仰天である。 「なんだ、神か悪魔か」 「どうでもよろしい、何してるんやて」 「何って、...
03_作品

青ずきんちゃん

「こんにちは、おばあさん」  いつも青いずきんをかぶっている青ずきんという女の子が、森の中のおばあさんの家を訪ねました。 「出かけているのかしら……?」  ところが急に戸が開き、大きな大きな恐ろしい狼が出てきます。 「げへへ、ババアはまあま...
03_作品

夜を説く

部屋に来てからすぐ、小夜は言いました。 「私作家になる」  眠そうな青い瞳がきれいです。 「小説を書くの」  既に二日という長い間、小夜は僕のアパートで暮らしています。明日を思うと恐ろしいですが、最近では考えないようにしています。未来のこと...
01_読感

【感想】『宗教聖典を乱読する』 釈徹宗

実は聖書すらちゃんと読んだことがないんです。「聖書も読まずにドストエフスキー好きですとかいってんじゃねえ!」って表参道の路上で強面の兄ちゃんに殴られたことあります。嘘です。でもやっぱその辺の知識必要ですよね。 それで聖書とかいつか読もうと思...
01_読感

【感想】『赤と黒』 スタンダール

フランス文学読もうと思ったがむしろ岩波にありそうなフランス文学をこれしか知らなかったのでとりあえず読みました。 社会的側面は、世界史の知識が乏しくよくわからなかったんだけれども、そういう視点は排除しても、恋愛小説としてとても面白かった。 ジ...
01_読感

【感想】『読書について』 ショーペンハウエル

三篇収録されている(『思索』『著作と文体』『読書について』)のですが、真ん中の『著作と文体』がとても興味深かったです。 匿名批評についての話や、思想と文体の関係の話など。うんうんと思わずうなずいてしまうような鋭い意見もあれば、僕自身がブログ...
03_作品

飼育の関係

何しろ此の時代である。少女に家族は無い。摩天楼の居並ぶ街の片隅、黴臭いアパアトメントの一室で暮らしている。近頃はその様な子供も大変多い。  或る日の暮れ方、少女は市の高架チュウブを、宛てどもなくぼんやり歩いていた。少女は毎夕そうして市を彷徨...
01_読感

【感想】『蜘蛛の糸・杜子春』 芥川龍之介

文庫を3冊買ったら割引だったから、3冊にするために購入。限定カバーに釣られた(上の画像は限定カバーじゃない)。中身は読んだことある作品が多かったけど、初めてのもあった。年少向けの作品を集めた、と書いてある。 蜘蛛の糸 やっぱり童話的な完成度...
01_読感

【感想】『文体練習』 レーモン・クノー

1つの短い、特に面白みもない話を、99の文体で書く、というもの。 もはや訳者の作品だろ、という批判(?)もあるみたいだけど、まあ確かに。訳者の作品ですね。でも面白かったからとりあえず良い本だと思う。フランス語ができたら原文で読むのが良いんだ...
03_作品

3という数字の秘奏性と虚造性と魔想性を考察するべくなされた一つの小さな空想譚

地下鉄に乗って午後三時。だが地下だ、暗い。暗い暗い暗い隧道を黒い黒い黒い地下鉄がいくらいくらいくら走っても闇には追いつけぬ。地下鉄は空いている。が座席は埋まっている。私は立っている。地下鉄を好いてはいない。が予定は詰まっている。私は乗ってい...
01_読感

【感想】『詩学』 アリストテレース

うーん、アリストテレスって紀元前300年代ですよね。日本がまだ弥生時代ですよね。そう考えるとないわって感じになります。 形としては全然体系的にまとまっているとは言えないものではありますが(それは僕の頭が足りないのかもしれないし、「体系的」と...
01_読感

【感想】『幼年時代』 トルストイ

感傷的で綺麗な話でした。子供モノというジャンルにこれをぶちこんでいいのかはわかりませんが、けれどこのジャンルに可能性を感じる僕としては、もう少し鳥肌の立つようなことを書いてほしかったという欲があります。
01_読感

【感想】『悪霊』 ドストエフスキー

上下巻それぞれ700ページ近い。長かった。岩波文庫のくせに700円もするんですからね! いや、買ってないですけれど。図書館活用してます。 物語の内容以前にまず一番印象深かったのは、語り手の半透明性です。一応語り手(新聞記者らしいですね)が存...
03_作品

CP対称性の破れ

この束の間の待ち時間、「CP対称性の破れ」について、お二人さんにお教えしよう!  ここに映画館の椅子。映画館の椅子、ひじ掛けに飲み物とか置けるホルダーあるね。このホルダーが今夜の主役。ホルダーに置くものは、コーラ(映画館にぴったりな飲み物は...