【感想】『Cat Fiction』街の樹(CATFISH)

 文学フリマ東京37にて入手。見本誌コーナーで見つけてフィーリングで購入(文学フリマにおけるいつも買ってる人の本しか買わなくなる現象に抗うために意識的に取り入れてるランダム性)。表紙が良い。

「日本電波塔ジャック」は、2037年に東京タワーの取り壊しが決定して勃発した反対運動についての戯曲。見本誌コーナーでこれの一場を読んで、ああ面白そうだなと思って購入した(役人と警備員の同時好きすぎる)。戯曲という形式を普段読まないし演劇も特に見ないのだけれど、特有の空気感(?)を塔党のキャラクターたちの掛け合いに感じた。楽しい。ジャックの言葉遊びからなんか綺麗にまとめてくるの良かった。

「動く船岡山」は小説で、地下鉄で出会った山(山に足が生えている)との交流。船岡山を名乗るその山は、別の山に成り代わられてしまった自分がもといた山を探しているという。船岡山の仕草とか、それを冷静に観察する主人公が一々面白い。結末は謎が残った感じ。どういうことだったんだろう。

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