【感想】『メキシカン・ゴシック』シルヴィア・モレノ=ガルシア 青木純子 訳

メキシカン・ゴシック | シルヴィア モレノ=ガルシア, 青木 純子 | 英米の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon

 メキシカンなゴシックだ!

 ホラーも読みよねと思っていたころにツイッターで以下を見ていて、それで読んだ。

 そんな手に取り方なのでホラーであるということ以外の前情報まったくなく読み始めたが、これは確かにメキシカンでゴシックだ、という感覚が強かった。英国風の謎の屋敷、因習の一族、怪奇と幻想、ジャンルに疎い自分でもなんかわかる程度にこてこてなゴシックホラー感を出しつつ、しかし舞台はメキシコ山岳地帯にかつて栄えた銀山の町。主人公のノエミもメスティーソであり、それが優生思想バリッバリの英国人のドイル家に乗り込んでいく構図もよくできていて、しかもそれが、ネタバレ防止で伏せるけどこの怪奇の根幹にも繋がっていくのがすごい(ちょっとその仕掛けというか正体が明かされるとこが急にポンと出てきた感じがあったけど)。怖いというよりは気持ち悪くて恐ろしい話で、でも読後感が気持ち悪く終わるわけではなくて、そのあたりの案配も結構良かった。

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