ロス・マクドナルド・トリビュート・アンソロジー『黒い背表紙の探偵』 - ストレンジ・フィクションズ - BOOTH
ハードボイルド御三家として今なお根強い人気を誇るロス・マクドナルドに捧げるミステリ・トリビュート・アンソロジー、『黒い背表紙の探偵』です! ロスマクファンたちによる新時代のハードボイルド・ストーリーをお愉しみに! 収録創作短編・評論は以下の...
上記BOOTH通販にて入手。
この通り、公式のお墨付きがあるのでロスマク知らないけど読んだ。っていうか割と一年前くらいまでみんながロスマクロスマク言ってるのをロマスクと空目してた。なんか鼻マスクの亜種みたいだな。ダメな気がしてきたのでロスマクもちゃんと読みたいです。以下、創作の感想。
船戸一人「リュウ・アーチャーは電気羊の夢を見るか?」
- 全然見当外れなのかもしれないし、トリビュートアンソロジーということで身構えてるときの冒頭作だからという影響あるとおもうけど、でも多分ロスマクはこういう感じなんだろうなというのを感じた。(いや全然見当外れなのかもしれないけど。ハードボイルド感のバシバシ来る感じとか)
- 日本商工会議所を訪れるシーン、登場するキャラクターの存在感にしても、画面の質感(?)にしても、出てくる情報によって過去からの積み重ねが浮かび上がる感じも、良かった。
織戸久貴「淡い密室」
- 全然見当外れなのかもしれないけど、ロスマクってこういうのも書いてたんだ。
- 逗子の描写とか、図書館で調べものするシーンとか、謎のこだわりを感じる質感がよかった。
- 強キャラの姉とみせかけて主人公も周りからみるとかなり強キャラなんじゃないかという印象を受けて勝手に楽しくなってしまった。
メイム・モーリニ「彼らを探せ」
- これは元ネタがあるやつなんだよね?
- オチみたいに図が出てくるのめちゃくちゃ良い。
紙月真魚「いやな風」
- 日本的ハードボイルドものという感じで良いな。
- タイトルにオマージュ元がある可能性がありますがそれを特に知らない読者として、このタイトルいいなと思った。きちんと作中で直接的な意味が言及されていると同時に、それがタイトルとして切り出されることで、全編に通じるなんかこの、どうしようもない、なんとなくいやな後味?も意味づけられてくるように思わされて良い。
織戸久貴「ペーパー・ゴーレム」
- ペーパー・ゴーレムというギミックの設定、使い方、かなり好き。なし崩し的に特殊設定みたいなことになってるの良かった。
- 隣のお姉さんが単なる便利会話役ということ以上に終盤に役割を与えられてるのが良かった。
- オチというか大ネタの部分、そういう無茶なやつも好き。