【感想】『明治スチームパンク小説集』アーカイブ騎士団

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 文学フリマ東京35にて入手。

 もちろん部分ツイート名刺も入手しました。

↑ 魔道士の虎の部分すき

「ボーイズ、ビー」森川真

 あらすじ文のつかみ力が強すぎる。「龍二は工部大学校のお雇い外国人ヘンリー・ダイアーと出会い、新型機関銃の提供を見返りとして札幌農学校の教頭ウィリアム・クラークの殺害を依頼される」ズルいでしょ。クラークの殺害て。読んでいくと途中で「あ、これあれだな」というのが見えてくるんだけど、それを見せた上で事件としてはどこへいくのか分からないのが気持ちいい。ある意味で期待通りの真相が明かされた後に、結末は意外性もあって好きな終わり方だった。また、通底する明治の開化の雰囲気と鬱屈が読み味を面白くしていてそれも良かった。

「ナウマン対マーモウドン」渡辺公暁

 タイトルが面白すぎるのと、これもあらすじの「ナウマンは頭脳と体内の大出力歯車を回転させ真相を探るが」ここが強すぎるでしょう。完成楽しみです!

「天狗と十二階」高田敦史

 天狗。思えば明治スチームパンク小説集というお題なのにこうして明治とスチームパンクに加えて妖怪的な要素が入ってくるのは面白いというか、やっぱり明治という時代はそれらの境目みたいなのがあるんだろうか。普通に魔女がいるのが良い。こういう強キャラは好きですね。あとがきでも言及されている通りホラーに対するモチベーションが感じられ、挿話がいちいち怖かったり不気味だったりして惹きつけてくるのがよかった。

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