【感想】『魂よ、忘るるなかれ』 寺岡敬

 第二十八回文学フリマ東京にて入手

 もともとtwitterでフォローしていたこともあり気になっていたのですが、シリーズ物なのかなと勝手な敷居の高さを感じていたところ、なんと今回スペースがお隣で声をかけていただき、番外編なので単独から読めますということで読ませていただきました。「歌で怪異を祓う少女」が活躍する話。日記を読み解いて怪異を知り、それが自分にも現れるという趣向の感染性っぽい描写が良かった。こういう怪異が出てくる場合、そもそもどういう存在なのかとか、その前はどこから来たのかみたいな設定を語るか語らないかって作風を大きく分けるよなと言う感じがして、本作では結局怪異がなんなのか全然わからない感じが(あえてそこは追求・説明しない感じが)、もう少し知りたいという思いもありつつ、番外編で一般人の目線で書かれている話だからそれくらいの塩梅がいいのかな、とも思ったりした。不破想良の能力の詳細とかもわからないが、なんか強そうで面白そうというのは掻き立てられるので楽しかった。関西弁なのにLINEの書き言葉だと標準語なのかわいいのでとても良いと思います。

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