【感想】”The Lake” by Ray Bradbury

Amazon | The October Country (English Edition) [Kindle edition] by Bradbury, Ray | Fantasy | Kindleストア

 昨夜、どうしても今すぐこの小説を読まなければならないという事情が生じたのですが、邦訳書の電子版が見当たらなかったので、今すぐ読むためには英語で読まないといけないということになり(明日本屋に行くとかでは遅い!)、読みました。上記は本作を収録した短編集(そのうち他のも読む)。日本語の「10月はたそがれの国」は昔読んだことがあるようなきがしなくもなくもないのですが読んでいたとしても記憶喪失です。

 英語で読むと日本語で読むよりは当然自分の解像度は下がってしまうことになるけれども、それでもありあまる美しさが感じられる短編。文の長さと短さのリズムがめちゃくちゃかっこいい。あとせっかくなので英語的な着目をすると、回想の中での視点(Iがheに、youに)と時制の切り替わりあたり、細かく見るとかなり技巧的なはずだけれど自然に読める。また、英語というか米国的な話で言うと、東海岸と西海岸のイメージみたいなものも関係しているのかもと少し思った。西の明るい世界(?)から東に戻る、こう、イメージとか。サクラメントで知り合った女性というとこう、みたいな……。

 後半の急展開。いやすごすぎる。最後の一文! I thought I loved Margaret well. At least I thought I did.のところで伏線(?)は張られているわけですが、ここまでの破局(?)がくるとは思わない。ライフガード登場以降の怒濤がすごすぎる。この分量でこの叙情的な美しさと破壊力がでているのは本当にすごいですね。名作短編……。

タイトルとURLをコピーしました