【感想】”Wanting Things” by Cal Ritterhoff

Wanting Things by Cal Ritterhoff : Clarkesworld Magazine – Science Fiction & Fantasy

Warning: This story contains dangerous, almost radioactive levels of sincerity. Also, a sex scene between a smart house and a toaster.

“Wanting Things” by Cal Ritterhoff より、冒頭の注意書き

 冒頭の注意書きで「スマートハウスとトースターのセックスシーンがある」ことを警告してくる作品。なお、本当にある。

 主人公はスマートハウスシステムLucyで、家主の女性Rebeccaのスケジュールや他のスマート家電たちを管理している。あるときRebeccaの恋人Johnが家を訪れベッドルームに入っていくと、スマートトースターのKevinから通信が入る。「彼は泊まっていくでしょうか?」「いまシャツを脱いだところだから、泊まっていく確率は71%。どうして?」「彼が泊まった日にはRebeccaが起きてくるのが平均43分遅れるので、温かいトーストを出すためには必要な情報なのです」「彼が下着を脱いだから、泊まっていく確率は今や93%」(以上ざっくり訳)といったコミカルなやりとりが大真面目に行われる。KevinとLucyは互いに興味を持ちよく話すようになり、やがて愛を育むようになるが(!)、RebeccaとJohnが破局するのを目の当たりにしたLucyはKevinに別れを告げ……。

 読みやすくコミカルで楽しく、後半の伏線回収や大団円のエンディングもかなり好みだった。

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