The Sin of America – Uncanny Magazine
難解すぎて正直読み方がよくわかってない。そういうときにはあまりブログに感想を書いたりしていないのだけれど、それでも書いとくかと思った理由が二つあり、一つはこの感想記事をにわかに盛り上がっている機運の一つとして言及いただいたこと(機運には貢献していきたい)、もう一つはそもそもWhere Oaken Hearts Do Gatherが面白かったときに他のヒューゴー賞短編部門のノミネート作品も一通り読もうと思った流れがあって残り二つ(最後の一つのTanglesはまだ読んでいないがMagic The Gathering小説っぽくて自分が良い読者ではない可能性があり、そうだとすればこのThe Sin of Americaが最後の一つ)だから続けようかなという気持ちのためです。
これはRuby Roseという女が、Blue Bison Diner & Souvenir Shoppeというダイナーで食事をする話で、Blue Bison Dinerで出されて彼女が食べているのがThe Sin of Americaである。で、それがなんなのかはハッキリ書かれていないのでよくわからない。語りは繰り返しを多用していて、不気味なリズムの良さがある。途中でRuby Roseの過去が語られたり、Ruby Roseの注文を聞く給仕Emmelineのこと、このダイナーの創業者Linda Gageのこと、その夫Herb Gageのことなどが語られるけれど、どれも基本的に悲惨で不気味。その間にもテレビは繰り返し、Christopher Salazarという人物の罪状を報じ続けている。Ruby RoseはThe Sin of Americaを食べ終え、店を出たところで惨殺される。次の客がやってきて、ダイナーの席に着くと、今度はニュースがRuby Roseの罪状を告げている……。
Sinを食べる(食べさせられる?)ということでSin-eaterになっている(されている?)ということになる、くらいまでは多分言えて、Americaといっているぐらいなのでそれがアメリカ社会の暗部を告発する風刺や寓話なのであろうということは想像ができますが、具体的なポイントまでは自分にはよくわからず(Ruby Roseの出自や過去話、あとは最後のオチで一つ前の犠牲者らしいことが明らかになるSalazarという名前、あたりから雰囲気は感じられるような気がしなくもない)、ネット上の感想を見てもアメリカの読者であっても想像するしかないポイントなのかなと思わされた。