【感想】『偽付喪神夜行絵巻縁起/災禍』 雨下雫/小島宇良(C1講義室)

 第二十五回文学フリマ東京にて入手(既刊・初版第二十三回文フリ東京)。

 表紙の妖怪がいいなと思ったので手に取りました。文フリ当日中に、『偽付喪神夜行絵巻縁起』を読んですごく良かったので(ちゃんと店番をしろ)、そのあと新刊も買いました。C1講義室さんの本は文庫版でお二人の作品を一編ずつ収録して表裏をそれぞれ表紙にする構成に揃っているようで、その作りもいいなぁと思いました。スペースの売り場も綺麗に作ってあって。

『偽付喪神夜行絵巻縁起』は表紙とタイトルでだいたい勝ってるんですが、中身もものすごく好きなタイプのやつだったので楽しかったです。表紙とタイトルが響く人はだいたい気に入るのではないでしょうか? 何が好きなのかを説明するのが概ねネタバレな感じがあるので説明しにくいのがつらいですが……。読み終わった時に隣にいたばななさんに面白かったって言ったら「狐要素ありましたか?」って聞かれたのでこいつ全部お見通しかよと思いました(?)。そういう評価基準じゃないぞ。

『災禍』の方は題材がちょっと暗いシリアス要素があって、普通なら僕はあまり選ばないタイプの作品なのですが、しかし最後まで読ませる力がありました。凡庸な悪というか、タイトルそのまま災禍の話なわけですが、ジャンル「青春サスペンス」は詐欺であってあながち詐欺ではない。

 良い本だったので手にとることが出来て良かったです。

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