SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと | チャールズ ユウ, 円城 塔 | 英米の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon
タイムマシンの修理技術者である主人公は修理の仕事をしながらその実、時空の狭間のようなところに引きこもっている。久々に自身のタイムマシンをメンテナンスに出した主人公は、整備が終わったタイムマシンの元に戻る際、タイムマシンから降りてきた自分自身を反射的に撃ってしまい、タイムループに陥る。
なぜこの本が積んであったかというときっかけはmurashitさんのこの記事ではないだろうか。いやこの記事はInterior Chinatownの話なんだけど……。まず読み始めての印象は、正直最初の方は、なんかちょっと、長いだろ、と思う。上記でざっくりあらすじっぽいことを書いているが「久々に自身のタイムマシンをメンテナンスに出した主人公は」に至るまでなんか本の半分くらい使われていて、なかなか事件が起きないのでこれどういう話なんだよというのがちょっとわからなくて戸惑う。書いてあることは面白いんだけど、そんな長く書かなくて良いだろ見たいに思う。しかし後半のドライヴ感、寺、父との過去、サバイバルキットに至る流れはめちゃくちゃ良かった。タイムマシンやタイムループやメタフィクショナルな演出で外連味を出しつつも内容はストレートに父の話、父の挫折の話、家族の話で、良かった。最後(本編の最後)の意味がよくわからなかったんだけどそこはこの記事を読んで完全に理解した。