5月6日文学フリマでbnkrメンバー参加。テーマは「名探偵」。今回も妹尾は表紙を担当。どうぞよろしくお願いします!
— 妹尾朝子 (@ume_asako) May 3, 2018
開催日: 2018年5月6日(日)
開催時間: 11:00~17:00
会場: 東京流通センター第二展示場
アクセス: 東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分
ブース: D-03 pic.twitter.com/4HKNz52wOi
テーマは名探偵、ということですが、名探偵出てくる作品のほうが少なくないですかね。あと表紙の名探偵は絶対犯人だろ。9作の短編小説を収録。特に気に入った5作の感想を書かせていただきます。
「超級探偵」松永肇一
名探偵を人工知能とロボティクスで再現したテーマパーク「超級探偵」で起きる事件の話。横浜小説だ。これはもう設定勝ちというか、設定の密度がすごいので、読者を圧倒させるだけの力がある。なんかものすごい広がるというか。起こっている事件とその解決にそんなに物語性というかミステリ的な論理は働いていない(というのが「名探偵」というテーマを与えられたにしては少数派の側だと思う)が、世界観でしっかり読後感が残っていて楽しかった。
「奇祭探偵【カッパグライ】」塚原業務
中年男性二人が奇祭の謎に挑む話。これ名探偵関係ないですよね(名推理)。伝奇ミステリとしてしっかりしていて、奇祭のネタも面白かったし、方言がいい味出してる会話劇パート含めて好きで、楽しく読めた。こういうタイプのミステリすごい好きなんですよ! しかしこの感想を書いている時、前回のvol.13で「怪談 kwAIdan」を書いた方の作品だと知ってびっくりです。方向性めちゃくちゃ違うじゃないですか。すごいな。
「少年探偵の母」星野トレン太
こういう短編が合同誌に癒やしを与えるのですごい良いと思います。ちゃんと笑えるし、一発ネタっぽい割によく読むと小ネタからオチまでレギュレーション遵守してる(?)。鉄コン列車ネタが好き。この一瞬考えさせてから笑わすやつなー。
「クビキリロンリ・暗黒系」石動儀式
首のない死体が出たらそういう符丁というのを扱った小説……なんですかね? これも短編にしてはものすごい要素がてんこ盛りに詰め込まれていたと思いますが、最終的にちゃんとまとめ上げて着地しているのですごいなと思いました。骨組みはミステリなんだな。こんだけバラ撒いて回収出来るの相当なんじゃないかと。カッコいい。
「奇祭探偵【石送り】」塚原業務
もう一作読めるんですかやったー! 河童の肉もすごかったけど、殺生石を駅伝方式で運ぶっていう状況設定自体がすでに面白すぎるんだよなぁ。伏線の張り方もミスリードの仕方も、最後なんか気が抜けたような若干暗くなって終わるところとか、すごく好みです。