【感想】『盤上の詰みと罰』 松本渚

 将棋漫画。完結済み(全2巻)。

 表紙の女子高生(女子高生ではない)、主人公の霧島都は元女流棋士。高校生にして女流六冠を達成した絶頂期に、謎の敗北を喫し気絶して以来、一ヶ月ごとに記憶がリセットされるようになる。女流を引退した彼女は、どうしても思い出せないあの時の対局相手を探して『日本全国将棋ひとり旅なう』を始めて五年が経った。という設定。最高だな。やはり美少女の記憶は消すに限る。限るな。

 霧島都のキャラクターが魅力的で話も面白く、将棋的にも適度にしっかりしていて良かった。惜しむらくは、掲載誌休載により急いで話を畳んでいるので(単行本二巻は掲載分に描きおろしを追加することで完結)、終盤の展開が少々急ぎすぎた感があったところか。まあでも、収まるべきところに収まったし、いいんでしょうか。もっと読みたくなるということは面白かったから良かったということか。

 将棋監修は戸辺誠六段で、キーとなる対局の棋譜と解説も付いています。主人公はオールラウンダーっぽいですが、表紙では初手▲5六歩。やめろ。

タイトルとURLをコピーしました