01_読感

【感想】『文体練習』 レーモン・クノー

1つの短い、特に面白みもない話を、99の文体で書く、というもの。もはや訳者の作品だろ、という批判(?)もあるみたいだけど、まあ確かに。訳者の作品ですね。でも面白かったからとりあえず良い本だと思う。フランス語ができたら原文で読むのが良いんだけ...
03_作品

3という数字の秘奏性と虚造性と魔想性を考察するべくなされた一つの小さな空想譚

地下鉄に乗って午後三時。だが地下だ、暗い。暗い暗い暗い隧道を黒い黒い黒い地下鉄がいくらいくらいくら走っても闇には追いつけぬ。地下鉄は空いている。が座席は埋まっている。私は立っている。地下鉄を好いてはいない。が予定は詰まっている。私は乗ってい...
01_読感

【感想】『詩学』 アリストテレース

うーん、アリストテレスって紀元前300年代ですよね。日本がまだ弥生時代ですよね。そう考えるとないわって感じになります。形としては全然体系的にまとまっているとは言えないものではありますが(それは僕の頭が足りないのかもしれないし、「体系的」とい...
01_読感

【感想】『幼年時代』 トルストイ

感傷的で綺麗な話でした。子供モノというジャンルにこれをぶちこんでいいのかはわかりませんが、けれどこのジャンルに可能性を感じる僕としては、もう少し鳥肌の立つようなことを書いてほしかったという欲があります。
01_読感

【感想】『悪霊』 ドストエフスキー

上下巻それぞれ700ページ近い。長かった。岩波文庫のくせに700円もするんですからね! いや、買ってないですけれど。図書館活用してます。物語の内容以前にまず一番印象深かったのは、語り手の半透明性です。一応語り手(新聞記者らしいですね)が存在...
03_作品

CP対称性の破れ

この束の間の待ち時間、「CP対称性の破れ」について、お二人さんにお教えしよう! ここに映画館の椅子。映画館の椅子、ひじ掛けに飲み物とか置けるホルダーあるね。このホルダーが今夜の主役。ホルダーに置くものは、コーラ(映画館にぴったりな飲み物はコ...
01_読感

【感想】『夢見る脳』 J・アラン・ホブソン

夢見のための一つのおもしろい読み物になりますね。最初の方はばーっと読み飛ばしましたが、後半すごく面白かったです。夢の中での運動や感覚に関する考察や、夢の奇怪さの分析が面白い。ただ、ちょっと厳密性は欠いている気がします(一般性を持っているとは...
01_読感

【感想】『現代の英雄』 レールモントフ

主人公にネガティブ(偽悪っぽい)なのを配置する。なんかずいぶん先進的なことをやっている。このパターンの余計者もよい。あと時系列がぐちゃぐちゃしているあたりも、うまい。150年以上昔の作品とはなぁ。
01_読感

【感想】『貴族の巣』 ツルゲーネフ 

構成がしっかりしていて、無駄なものが無いのに、それでいて重厚。また、この余計者(лишний человек)スタイルは、読んでいてとても面白いです。というか、余計者の主人公が、以後の日本文学に影響与えてるんだなぁってのがなんとなくわかりま...
01_読感

【感想】『白夜』 ドストエフスキー

Amazon.co.jp: 白夜 (角川文庫) 電子書籍: ドストエフスキー, 小沼 文彦: Kindleストアこれはすごい。うまい。さすがドストエフスキー。序盤の主人公の妄想語りでまずずっぱ抜かれる。ドストエフスキー的な幻想描写というかな...
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【感想】『初恋』 ツルゲーネフ

なんというか、完成度が高い。ツルゲーネフの最高傑作とも言われているらしいけど、この一作読んだ限りでは確かにそうなのかもしれないと思う。最近ロシア文学の有名どころをちょんちょんと読んでいるわけだけど、ゴーゴリ「鼻」「外套」やプーシキン「スペー...
01_読感

【感想】『外套・鼻』 ゴーゴリ

ゴーゴリってこんな感じなんですね。なかなか好きです。外套は、序盤微笑ましい感じの話なのかと思ったら、最後心霊モノみたいになって、うおおって感じでした。鼻は、序盤から不条理すぎて、全部うおおって感じでした。ゴーゴリってそんな不条理なものを書い...
01_読感

【感想】『スペードの女王・ベールキン物語』 プーシキン

『スペードの女王』と、ベールキン物語より『駅長』を読みました。まあ『駅長』は歴史の流れ的な意味でなるほどなっていう感じではありましたが、『スペードの女王』が強烈ですね……。かなり衝撃を受けました。一種の霊モノって言えばそうですね。もし現代風...
01_読感

【感想】『オネーギン』 プーシキン

オネーギン (岩波文庫 赤604-1) | プーシキン, 池田 健太郎 |本 | 通販 | Amazon『エヴゲーニイ・オネーギン』ってタイトルの方が日本では有名な気がしますが、岩波文庫ではこのタイトルです。プーシキンの足フェチぶりは聞いて...
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【感想】『哀れなリーザ』 カラムジン

教授(ロシア文学)の紹介で。まず語り手(私)=作家の構図っていうか形を使うことによって、一応主人公をリーザにしつつもエラスト側の情報も書けるわけですね。さらに、リーザ視点で書いてしまうとどうしても「リーザに対する感情移入」を誘う形になり、そ...