図書館の魔女 霆ける塔 | 高田 大介 |本 | 通販 | Amazon
高い塔の魔女・マツリカは、ニザマの宦官中書令ミツクビの罠にかかり捕らえられ、閉ざされた山砦に幽閉される。その隠し砦は地図のどこにも記されていない、夜ごと雷の打ち付ける「霆ける塔」であった。マツリカ救抜に立ち上がったハルカゼ、キリンほか図書館の面々は、僅かな手がかりからマツリカの居所を探し当てんとする。
帯文に「マツリカが、キリヒトが、帰ってきた。」とあって、冒頭の主な登場人物一覧にキリヒトは載ってないんだけど、さすがに帰ってくるだろ!と超期待して読み始めるのだが、もちろん序盤で帰ってくるわけはなく、一番良いところに向けて舞台が整っていく。また、冒頭にはいつもの海峡地域概略図に加えて「霆ける塔」の山砦の図面がついており、これがまた館ものとまでは言わずとも単なるファンタジーの世界観演出だけでなくてトリック・ギミック的にも活用されるのが舌を巻くところ。さらに伏線回収的な話で言うと、やはり何より「霆ける塔」でそれをやらかしているのが好きで、霆いてるという設定が異様な山砦の雰囲気作りに留まらず、マツリカ救出の障害となって、「まるで魔法のように」解決されるのは楽しすぎた。しかし、ここまで仕掛けがきれいに決まり、さらに最強キャラであるキリヒトが投入されたらもう全員切ればいいからOKみたいになってしまうと勝てて当然みたいなところがあるのだが、前段の危機としてマツリカの窮地を急にビートをあげて盛り上げてきたところはこれがまたよかった。追い詰められて文体まで変質するところは読み応えがある。囚われの身でありながら客として遇され、洪鈞と紅花と独特の絆を結ぶマツリカの強かさのパートから一転、説明的なシーンが多い上にマツリカは囚われているのだからほとんど動かないという本作において決めるところの展開をしっかり決めているのが読ませてくる。
今度こそ役者が揃って、次は完結編になるのだろうか? 早く読みたすぎる。
