未完結だけど区切りが良い……ような気がするし感想を書いておくことにしました。
これ好き。
偽る、演じる、騙す、みたいなのがめちゃめちゃ性癖なんですけど、それをメインに据えてくるお話で、それ、それなんだよ、となってしまって大好きな作品です。本当にそれです。やりたいことのために舞台装置が用意されてしまうのも好きで、リーベ女学園という舞台だけで既にパワーがありすぎて好き。多分リアリティラインというかそういうのが気になる人は、そんな店ありえねえってなるので向いてないと思うのですが(なんなんだよあの店は)、自分はやりたいことのために細けえことは良いんだよ状態で進んでいくこういう話が大好物です。主人公が外面を取り繕って演技をしているんですみたいな話は腐るほどあると思うけど、この作品はリーベ女学園という舞台装置によって多かれ少なかれ登場人物全員が演技をしていて、それが話にめちゃめちゃ噛みあってくるんですよね。ミュージカル的な演出装置としても使われている。ミュージカルで歌うじゃないですか。なんで歌うんだよみたいなツッコミを入れ始める人には向いてないんですが、いや感極まったら歌うでしょっていう受け入れができる人にはすごくハマると思うのでオススメです。あと、主人公が外面を取り繕って演技をしているんですみたいな腐るほどある話の場合、大体ヒロインだけがその演技を見破ってきてとか事故でバレてしまってとかそういう導入がテンプレ化してしまって退屈ですが、この作品はそういう方向でもなくて、もっと演技が複雑になってる。誰からも愛されるように外面よく自分を振る舞う陽芽が、コンセプトカフェ・リーベ女学院で働く羽目になり、そのリーベ女学院というのが「お嬢様学校の学生に扮した店員同士が姉妹となり清らかに美しく給仕をするサロン」で、店員はみんな生徒に扮して百合百合してて、そこでサロンの表舞台では自分に優しくしてくれるんだけどバックヤードだとやたら敵意を向けてくる先輩がいて、しかしその先輩と勘違いから「姉妹」の関係になってしまい、サロンの表と裏でこう、演技が交錯するこう……最高ですね。陽芽が主人公としてめちゃめちゃ良いんですよね。心情運びが良くて。あと舞さんがすごい好きなんですよね。あの人あきらかに一番ヤバいでしょ。黒幕だよ。でも8巻の写真撮影シーンの恍惚顔をみると店が一段落して良かったねと思ってしまった。この先の展開も楽しみです。