【感想】『幽霊屋敷小説集 パイロット版』 アーカイブ騎士団

 第三十一回文学フリマ東京にて入手。幽霊屋敷をテーマとする(?)小説3編。うち1編未完。パイロット版というのはその1編が完成したら完成版になるのか他に作品が増えるのか……それもまた楽しみですね。完成版楽しみです!!!

時がねじれた家(高田敦史)

 心霊科学者と哲学者と言語学者と物理学者が幽霊屋敷の謎に挑むが、その幽霊屋敷では時間がねじれており……という話。「物理学者!」って叫ぶとこですごい笑ってしまった。「哲学者、哲学者」でもうダメだった。面白いぞ。ギミックが一気にSFっぽくて良かったのですが、何か元ネタ的なものが(菱形のやつとか)ありそうな雰囲気があるんだけどなんなのか分からなかったのがむず痒かった。特にないのかも知れないけど。

マットの下(渡辺公暁)

 海洋SFミステリーっぽい。全然幽霊屋敷じゃないだろでもミステリ?SF?として面白いぞと思って読み進んでいくと幽霊屋敷小説になる。すごい。話の構造としてはファーストコンタクト系、それこそ『ソラリス』とかのイメージに自分の中では近かったんだけど、そこに海洋SF的な設定がぎっちり投入され、幽霊屋敷小説になる(???)。濃厚な味わいで楽しかった。

藤原盟子、ヤクザの肝試しに立ち会う(森川 真)

 未完。導入がめちゃくちゃ面白い(導入的にはこの3作の中で一番好きそうなくらい)ので完結したのが読みたいです……!

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