先日、雨月物語SF合同『雨は満ち月降り落つる夜』で文学フリマ東京に参加させていただきました。スペースを訪れていただいた方、どうもありがとうございました!
初めて文学フリマというイベントに行ったのはもう6、7年前、下手するともっと昔かもしれないと思うのですが、そのときは「へ、へぇ~こんな感じなんだ~……」と会場をうろうろし、その空気に飲まれ、瘴気にあてられ、特に何も買わずに帰ったのを記憶しています。そこから比べると最近は行ったら本を結構ポンポンと買ってしまうし、あまつさえ今回は合同誌の主宰として参加してしまったというのは、年とって耐性がついたというのか、丸くなったというのか、単に使える金が増えたからか、まあ大人になるのってそんなに悪いことばかりじゃないよね、と思います。
今回、印刷部数は各方面に聞いた話とか、参加させてもらっているねじれ双角錐群の情報とかを参考に、決して日和ったつもりはないまあ妥当だろうという数を刷り搬入したのですが、想定外にたくさんの方にお越しいただき、13時台に完売してしまいました。イベント自体が過去最大を更新する規模・来場者となったことに加え、開催直前に私がスパムの勢いで宣伝していたのが思っていたより多くの方に見ていただき、さらに私が想定していた以上の雨月物語というコンテンツの強靭さ、SFというジャンルの強さなども相まった結果なのかなと思っています。当日夜に小数部確保しておいた分の通販も実施しましたが、すぐにそちらも無くなってしまい、欲しかったが手に入らなかったという方も出てしまったと思います。そこは申し訳なかったです。
雨月物語をSFにするアンソロジーやりましょうという適当なツイートに反応をくれた方に声をかけていくことで集まった今回のメンバーでしたが、それぞれ素晴らしい作品を書いていただきました。それぞれの作品の感想は告知記事に書いた通りなので繰り返しませんが、原稿が集まってきた時、「雨月物語をSFにしていったら楽しいだろうな」という企画当初の漠然とした構想がすっと鮮明な像を結ぶ感覚がしたのが心地よく、それが紙の本として刷り上がり形をなすに至る快感は強烈で、これは中毒性があるぞと思いました。雨月物語は高校生の頃から好きな作品で、今回の企画で他にも雨月物語が好きな人がたくさんいるというのがわかったのも嬉しいですし、今回の本をきっかけに雨月物語を読んだ、読み直してくれた方がたくさんいたのもとても嬉しく思います。
さて、そんな雨月物語SF『雨は満ち月降り落つる夜』ですが、この度Kindle版を配信しました!! 物理本をお渡しできなかった方に届けば幸いです。ぜひよろしくお願いいたします!!
もし楽しんでいただけたなら、ぜひ感想をツイートしたりブログに書いたりAmazonのレビューに書いたり読書メーターに書いたり(物理本・Kindle版)こっそり僕にメールしたり(sasaboushi[at]gmail.com)、あるいはそれらすべてを同時にしてください!! メンバーが輪番を組んで昼夜を分かたず執拗なエゴサを実施しています!!