【感想】『見えないわけがないだろう』吉野奈津希

見えないわけがないだろう - 非透明書房 - BOOTH
サークル『非透明書房』より Twitterで連載をしていた『私』と『溝口君』が織りなす一話完結の掌編小説集です。 様々な不条理のある世界でそれでも関わる二人の物語です。 2022年5月の文学フリマ東京にて頒布しました。 (『通販価格』にて頒...

 文学フリマ東京35にて入手。

「溝口君」と「私」に関する連作短編、としか説明のしようがないのだが、「溝口君」と「私」に関する連作短編。「溝口君」にクラスの全ての苦痛が集まったり、埋めたはずの「溝口君」が毎日現れたりする。手を替え品を替え不条理が起こり続ける中でなぜか「溝口君」と「私」の関係がエモくなってしまう謎効果が発生していてすごい。「辻褄合わせ」と「無限増殖ダンジョン型溝口君」が笑った(特に後者はもうタイトルで笑うじゃんこんなの)。「たとえあなたが欠片でも」は不条理具合と不気味さとエモさとのない交ぜのバランスがすごく良くて好き。

タイトルとURLをコピーしました